阪神淡路大震災から19年
阪神淡路大震災の発生から、今日で19年です。
そのとき私はフィンランドにいました。そのころは、朝起きるとテレビの文字放送ニュースをつけるのが習慣になっていました。文字で書いてあれば、フィンランド語のニュースもなんとなくわかるからです。
テレビをつけると、トップニュースに「日本の神戸・大阪でmaanjäristys」の文字。maanjäristysって何だったっけ…と考えて、しばらく前に北海道であった地震の新聞記事に、この単語が出てきていたのを思いだしました。あ、地震か、と思って、大阪の実家に電話をかけましたが通じませんでした。この時点で、日本では午後2時をすぎていました。
家がなくなったと覚悟しました。フィンランドの報道で、神戸と大阪を区別しろというのは無理な話で、どのへんに被害が起きているかはわかりませんでした。(あとで見たフィンランドの新聞には、地図の「震源地」のマークが八尾市あたりについているのもありました(笑))
当時は家にはネットはつながっておらず、研究所にいって日本からのメールを見ると、関西からのメールで大変な被害の情報が入っていました。当時勤めていた九州工大の人からのメールとの「温度差」を強烈に感じました。研究所の同室の人は、日本の地震のことを知りませんでした。事情を話すと、日本へ電話をかけさせてくれて、幸い無事を確認しました。
当時はウェブが普及する直前で、いまのように日本の新聞がネットで読めるわけではありませんでした。地震の情報は、テレビのCNNか、フィンランドの新聞に載る外報記事か、友人たちからのメールか、いずれにせよすこしずつ断片的にしか入ってきませんでした。
1週間くらいは、仕事が手につきませんでした。それに、「温度差」を感じる日々でした。現地にいたある日本人には、崩れ落ちた高速道路の写真をフィンランドの新聞で見て、「車も減ってよかったんじゃないの」と軽口を言った人もいました。当時は腹が立ちましたが、今考えて見ると、同じ母国でも、「○区△町」と聞いて景色が思い浮かぶ者とそうでない者とでは、現実感が違うのはしかたないと思います。
研究所の別のフィンランド人には、「日本の建物にはショックアブソーバーが入っているから、地震は平気なんじゃないの?」と言われました。いやそういう建物もありますけど… フィンランドの土地は35億年前の岩でできているといわれていて、非常に安定しているので、地震はめったにありません。フィンランド人に地震の知識がないのも、しかたないですね(汗
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